AI駆動経営

連載「AI駆動経営の実践記録」
序章: AIに殺されると思った日

ブレイバーAI&阿部 勇人

起業して25年目の、ある日のことです。

GoogleがAI検索(AI Overviews)のスタートを告知しました。
検索結果の上部にAIが要約を表示し、ユーザーはサイトをクリックしなくても答えが得られる。
そういう時代が、いよいよ始まるという発表でした。

私たちの事業は、検索からの流入に支えられています。
「データ復旧」「データ消去」で検索し、サイトにたどり着き、問い合わせをいただく。
25年かけて積み上げてきた、このシンプルな導線。

それが、AI検索によって断たれるかもしれない。

検索結果にAIの要約が表示されれば、ユーザーはサイトを訪れなくなります。
問い合わせが減り、売上が下がる。
SEOに投じてきた時間と労力が、静かに無力化されていく未来が見えました。

正直に言えば、怖かったです。
殺されると思いました。比喩ではなく、事業として。

でも、不思議なことに、恐怖の次に浮かんだのは別の考えでした。

子どもの頃、「パーマン」というアニメが好きでした。
鼻を押すと自分のコピーが作れるロボット。
自分が不在の間、完全に自分として振る舞ってくれる分身です。

「殺されるなら、先に自分のコピーを作ればいい。」

25年分のメール。会計データ。CRMの顧客対応ログ。
すべてをAIに注ぎ込めば、自分の判断基準や思考パターンを再現できるのではないか。
AIに仕事を奪われる前に、AIを自分の分身にしてしまえばいい。

もう一つ、正直に言えば、年を取って物忘れが増えました。
かつて即答できていた技術的な判断に、一瞬の迷いが生じることがあります。
自分の記憶が薄れていく不安を、テクノロジーで補いたいと思いました。

こうして「BraverAI」のプロジェクトが始まりました。

AIに殺されるのではなく、AIを自分の分身にする。
恐怖を動機に変えて、自分自身の「コピーロボット」を作る。

この連載「AI駆動経営の実践記録」では、一人の創業オーナーがAIと向き合い、経営そのものをAIと共に再構築していく過程を記録していきます。

成功も失敗も、すべてさらけ出します。
同じ恐怖を感じている経営者に、一つの実例として届けば幸いです。